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【イベレポ#02】MASHING UP Vol.3 2019/11/7‐8

さまざまな業種、性別、国籍、コミュニティの考えや感じ方を「マッシュアップ(混ぜ合わせる)」して、他者への共感から、自分らしくありながら、すべての人が活躍できる社会をめざすカンファレンス「MASHING UP Vol.3」が11月7・8日の2日間、TRUNK(HOTEL)で開催されました。

社会課題を華やかでおしゃれな場で話すこと

社会課題の解決をめざすカンファレンスですが、話題の中心がジェンダーフリーや、女性の活躍ということもあって、
・入場パスの代わりにピンクのリボン
・いたるところに飾られているバルーン
・見た目も味にもこだわったお菓子
と、おしゃれでかわいいモノがいっぱいで、とても華やかでした。

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会場の華やかでおしゃれな雰囲気が、参加する皆さんの交流を後押ししたのか、あちこちで名刺交換をしている姿が見受けられました。
難しい顔をして、深刻な面持ちで堅い議論をするのも必要かもしれませんが、明るく楽しく話し合うほうが、しなやかな発想がうまれそう!と、感じた2日間でした。

MASHING UP Vol.3でお話を伺えた基調講演とセッションのまとめは
ココカラ
↓↓↓↓

途上国向けの学習ゲームを開発するきっかけは

世界的に活躍する社会起業家が登壇するMASHING UPで、今年の基調講演を務めたのは、米国と韓国にオフィスを構える教育テクノロジー企業Enumaの共同創業者兼CEO スイン・リー氏。

「誰でもゲームチェンジャーになりえる」と話すスイン・リー氏は、韓国から米国シリコンバレーにわたり、
・学習をするのに特別な支援が必要な子ども
・開発途上国で教材を入手できない子ども
などを対象とした学習アプリを開発する会社をたちあげました。

イベレジNote

開発した学習アプリ「Kitkit School」は、2019年に世界の重要課題の解決に向けた賞金付きコンテストである、グローバル・ラーニング Xプライズで優勝しています。

世界の教育環境の現状は、

・読み書きや、初歩的な計算ができない子どもが約2億5000万人
・人口の60%は、読み書きができない
・子どもの14%は、特別な学習が必要
・タンザニアのある村の学校では、先生1人に対して生徒180人
・その村に1冊だけある本は聖書で、おそらく誰も読んでいない

こうした教育環境を改善するため、アプリで自発的に勉強したくなるコンテンツをつくる必要があり、そのために下の3つのコンセプトを重視したそうです。

・独立学習(先生がいなくてもできる)
・達成感を得られること
・楽しいこと

タンザニアの村で暮らす子どもたちが参加した実地テストでは、アプリをインストールしたタブレットを、子どもたちに提供するだけでなく、電源供給のための太陽電池の設置もしたそうです。

途上国の教育というグローバルな社会課題の解決に取り組み、ご自身の仕事と子育てを両立する働き方、外国人として働くことの障壁など、さまざまなレイヤーの課題を乗り越えて、大きな成果につながったお話は、とても勇気づけられる内容でした。

目の前のことからはじめる性別・年齢バイアスの撤廃

外資企業の先進的なダイバーシティの取組みを日本企業に取り入れた事例と導入時の手法から、日本企業の課題と解決策を考えるセッションです。

登壇者:
LIXILグループ Chief Public Affairs Officer, Chief People Officer ジン・モンテサーノ氏
WeWork Japan ヴァイスプレジデント 広報・渉外担当 日高久美子氏

テーマ:インクルーシブな組織をつくるには?
 – 明日から出来る変革のヒント

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モンテサーノ氏は、

多様な人材を活かすダイバーシティは採用である程度解決が可能。
LIXILがより大切にしているのは、人材一人ひとりの異なる能力・考え方を企業の発展・改革に活かすインクルージョン。
そのためには企業文化を変えなければいけない

と、語りだしました。
日本人中心、男性中心の世界に入って、これまでの組織のあり方を一変するにはとても大きな壁があったのかと思いますが、
モンテサーノ氏が笑顔で「おじさんたち」と愛情たっぷりに語る姿に、女性の地位向上を勝ち取るということではなく、それぞれの個性をみんなの力に変えることが大切なのだというメッセージを感じました。

産休を取るときに、当事者の女性が申しわけなさそうに謝り、残されたスタッフが困り顔をする現状から、素直に「おめでとう」と言える当たり前の環境をつくるということ、
フレックス休暇を取るために、数週間前から申請が必要なのは、全然フレックスではないこと、そうした課題を解決するために、モンテサーノ氏が手がけたのは下記の3点でした。

・産休や休暇で不足したリソースを解決するのが、マネジメントの仕事という認識
・育児や化粧、家事など女性の視点は、ビジョンやアイデア出しに必要という理解
・外部からの視点で考える(一度自分の立場から離れて考える)

性差別解消の次のステップでは、年齢・職歴などの差別についても言及。
若い女性管理職をつくり、ベテラン男性の上のポジションに付けたときに、周りの人たちからは「おめでとう」ではなく、「大変だね」と心配の声ばかりあがったといいます。

モンテサーノ氏は、年功序列の障壁を取り除くために、次の4つのことを行いました。

・若い人材を早く出世させることの重要性の理解
・スキル・サブスキルの開発
・成果を明確化し、表彰すること
・出世した人へのバックアップ

そのため若い人材のマネジメントスキルの向上だけでなく、部下のベテラン男性も新しい考え方を学んだと、喜ぶようになったとのこと。

こうした企業側ができることのほかに、私たち個人が日々できることもたくさんあるといいます。

・来客にお茶を出す役割を女性に限定しない
・フレックスや産休などの制度を積極的に使う
・社内SNSなどのコミュニケーションツールを使い、改善のアイデアを民主化
・能力が高い人や活躍したスタッフの成果を会議の場などで発表し、自信を与える
・少数派ということは武器になる

モンテサーノ氏の、

ヒューマン・リソースを人的資源ではなく、一人ひとりの人間と捉えて、働く人がそのライフサイクルのなかでなにができるか、という視点が大事


という言葉は、それが組織にとってもベネフィットになる時代になってきたのだなと、強く印象に残りました。

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以上が、MASHING UP vol.3 のレポートとなります。
参考にしていただけましたら幸いです!

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